高鍋ロータリークラブ会2009.11会員顔写真 025.jpg長 岡島達雄

   昨年いただきましたご厚情、特にロータリーの友情の数々にお礼を申し上げます。

   最近の社会は、良くなりつつあるというよりもむしろ好ましくない方に向かっているように思えます。日本の社会は、経済成長率がプラスで生活水準の向上が当たり前という時期がありました。このため、社会の仕組みが変わり、いつのまにかわれわれの考え方や感情までもこの考えに支配されるようになってしまいました。多くの国の人々がこの方針を取りはじめ、無限でない資源は枯渇し、限られたスペースの中に廃棄物だけがいたずらに増え続けて、地球上の生物はその種も、絶対数もともに減少してしまいます。こういった中で、人間だけが繁栄することはできません。

   多くの人は、昨日よりも今日、今日よりも明日がより快適になることを望み、そのように行動してきました。しかし、それはもう望めない時期にいたったのです。では何か。生活水準の向上に伴う快適性ではなく、「幸せ」を求める時代に至ったというべきでしょう。「最も多く奉仕する者が最も多く報いられる」ものが「幸せ」ではないでしょうか。

   すし詰め教育の時代、働き詰めの時代、車に乗れなかった時代がありました。そのとき人々の生活は快適ではなかったかもしれませんが、「不幸」だったでしょうか。確かに年収がある限度以下では「幸せ」と考える人の割合は低いようですが、それ以上になると年収と幸せは必ずしも比例しないそうです。

   ロータリーの奉仕の対象は、ひとつは生存権さえ奪われている人々を対象とするもの、もうひとつは「幸せ」を呼び寄せることの両方があると思います。

   気品のある楽しい例会の実現にいっそう努めたいと思います。

  今年もよろしくお願いします。