日本語支援教育専修 汪 南雁

私にとって初めての教育実習は、去年12月の台湾東呉大学での日本語支援教育実習だった。同じ日本語学習者に日本語を教えるということは私にとって嬉しいことでもあり、少し恐いことでもあった。台湾教育実習に行く前、私は不安を抱えていた。だが、初めて教壇に立った瞬間、その不安は不思議なくらい吹き飛んでしまった。先生方の優しい眼差しと学生たちの温かい言葉があったからである。

その後、1月の宮崎大学での日本語支援教育実習と、6月の宮崎大学付属中学校での高校理科教育実習を経て、今回の韓国順天大学校での日本語支援教育実習を迎えた。今回は不安や心配など何一つもなく実習の準備ができた。順天大学校の教育実習は、授業見学と教壇実習以外に語学キャンプやバスツアーなどもあるので、とても充実していて楽しいと先輩から聞いていた。そのため、早く行ってみたいという気持ちで、わくわくしながら日本を出発した。

しかし、韓国語ができない私は、順天大学校に着くまでずっと冒険をしているような気持ちになった。私にとって一番親しみのある「漢字」も韓国では見られず、何度か道に迷ってしまった。しかし、幸いなことに、ハングル表記が少し読めたり、日本語ができる親切な韓国人と出会えたりしたおかげで、無事に順天大学校に着くことができた。順天大学校に着いてからは、日本語が流暢な助教先生や韓国人学生がいつも一緒にいて下さったため、困ることは全くなかった。

今回の教育実習は例年と比べると日数がやや短く、5日間となっていた。2日目から同級生の教壇実習が入っていた。私の教壇実習は3日目の午前にあった。同級生の授業で学んだことや自分が学生たちと会って考えたことなどを踏まえた上で、教壇に立った。指導教員である金先生が私たちを教室まで案内して下さった後に研究室に戻られたため、私たち実習生2名・実習補佐4名と韓国人学生11名だけの50分間となった。少人数であったため、一人一人とコミュニケーションができ、それぞれの個性を観察することができたことが、本当に何よりも嬉しかった。今回の、絵本に触れながら絵本の楽しさや奥の深さを知る授業では、学生たちの日本語レベルの高さと想像力の豊かさに感動し、日本語教師になりたいという気持ちがより一層強くなった。

教壇実習が終わってすぐに語学キャンプの会場に移動した。順天大学校教育実習の特徴でもあるこの語学キャンプでは、いろいろなゲームを通して私たち実習生・実習補佐は韓国人学生と交流し、一緒に日本語を学び、共に素敵で楽しい時間を過ごした。

教育実習最終日は文助教先生と韓国人学生3人のご案内で、楽安邑城民族村と順天湾を観光した。美しい景色と素晴らしい天気、それに明るい仲間たちで、時間を忘れるほど楽しい時間を過ごした。もう一回、同じメンバーで行きたいというのが、今の正直な気持ちである。

韓国順天大学教育実習の一週間は、私にとって一生忘れられない大切な思い出となった。これからも、日本語教師を目指し、精一杯頑張りたいと存じます。